导演:木村恵吾
主演:市川右太衛門 高峰三枝子
泰平の喜びも長閑な元禄の頃、春爛漫と花ざかり、花見客のさんざめく賑わいもよそに、ここ米問屋但馬屋の手代清十郎が、泣いて彼を口説く但馬屋のお夏を慰めていた。その頃名うての但馬屋も、ちょっとした手違いから
泰平の喜びも長閑な元禄の頃、春爛漫と花ざかり、花見客のさんざめく賑わいもよそに、ここ米問屋但馬屋の手代清十郎が、泣いて彼を口説く但馬屋のお夏を慰めていた。その頃名うての但馬屋も、ちょっとした手違いから破産に頻していた。その窮境を救うためには、今、日の出の勢いの回船問屋那波屋の道楽息子の甚太郎が、お夏に懸想し、但馬屋の番頭頭丈左衛門をそそのかしてお夏を嫁にくれれば援助を惜しまぬという申し入れに承諾するよりほかにない但馬屋九右衛門だった。そしていよいよその婚礼の日が近づいているのだった。清十郎は既に数多の女達との情事に飽き果て、戯れの恋はすまじと心に誓っていた。「のう清十郎、女は所詮弱いもの、頼む支柱がのうてはかなわぬのじゃ、那波屋から逃れるためにはこのわしを連れて逃げて下され……家のため暖簾のため捨てるにはこの若い生命が痛ましいとは思いやらぬか、のう清...
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